血液検査(代謝系検査)

検査項目

血糖(空腹時)

血液中のブドウ糖の量を調べます。値が高いときは糖尿病、低いときは膵島腺腫などが疑われます。

尿酸

血液中に溶けている尿酸の量を調べます。高い値のときは、痛風、腎不全、血液疾患などが疑われます。

尿糖

血液中に含まれるブドウ糖が尿中に排出されたもので、尿糖が出ている場合、腎性糖尿、糖尿病、肝機能障害などが疑われます。

糖尿病とは?

血液中のブドウ糖の調節が悪くなる病気

ご飯やパンなどの穀類や砂糖、果物など糖質は、消化吸収されるとブドウ糖になります。このブドウ糖をエネルギー源として各組織に運ぶ役割を担うのが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンです。糖尿病は、このインスリンが不足したり、作用が低下することにより起こる代謝障害です。インスリンがうまく働かず、行き場を失った血液中の糖分が一定以上になって濃度をますと、尿の中にもあふれてきます。これが糖尿病のはじまりです。

糖尿病 どんな人が注意すべき?

食べすぎで肥満、運動不足の人

食べすぎ、飲みすぎ、運動不足、ストレスや過労など、生活習慣のひずみが、糖尿病を引き起こす一因です。これらに該当する人はもちろんのこと、遺伝的な要因も考えられ、血縁者に糖尿病のある人も注意が必要といえるでしょう。

1.体質・遺伝

日本人の少なくとも10%は糖尿病の体質を持っているといわれています。しかし肥満、運動不足など誘因となるものを避ければ発病は防げます。

2.40歳以上

糖尿病は生活習慣病。40歳くらいから、それまでの悪い生活習慣のツケが現れてきますので要注意。

3.肥満

肥満は常に糖尿病の危険があり、糖尿病と診断されたら悪化する促進因子になります。20歳代前半より体重が1割以上オーバーしたら、すでに危険ゾーン。

4.美食・過食

美食や過食は肥満の元凶。“食”への欲望のみにとりつかれて体を壊すことのないように。腹八分目を心がけて。

5.運動不足

体を動かせば、インスリンの働きが活発になります。ウォーキングをはじめ自分に合った運動をぜひ見つけましょう。

6.のどの渇き

糖尿病がある程度進行して現れる症状の1つ。もちろん他の病気でものどが渇くこともありますが、早急に専門医を受診することが望まれます。

7.体重減少

食欲があり、十分食べているのに体重が減少してきたら、かなり進行した糖尿病の可能性があります。

8.目のかすみ

糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、眼球の細い血管が腫れてこぶができ、眼底出血をおこし、大出血すると失明の危険性もあります。

9.ストレス

ストレスを感じると、副腎からストレスホルモンが分泌されます。これらのホルモンは血糖値を上昇させる作用があるので、ストレスを感じたら無理をしないで休養を。

10.健康診断

糖尿病は初期にはほとんど自覚症状がないので、定期健診で行われる尿糖検査、血糖検査などが早期発見の手がかりになります。

心がけたい食事の注意

  1. エネルギー摂取は均等が理想。まとめ食いをやめ1日3食を規則ただしく食べよう
  2. ゆっくり噛んで食べすぎを抑えよう。腹八分目でストップ
  3. (主食+主菜+副菜)という献立でバランスのとれた低カロリー食を心がけましょう
  4. 調理方法を工夫して脂肪摂取を控えよう
  5. 血糖値の上昇を抑える野菜や海藻など食物繊維を多く摂取しよう
  6. ビール大瓶1本はご飯1杯とほぼ同じカロリー。原則的には禁酒しよう
  7. 血糖値の上がり方をセーブするため胃の中で停滞時間が長い食品を食べよう
  8. 間食の量に気をつけよう。果物の摂りすぎに注意
  9. 過食と偏食をしないのが大原則。特に寝る前の夜食はやめよう

関連する症状:高尿酸血症

血液中に尿酸が増えること

尿酸とは、体内に摂取されて活用された栄養素(細胞)の燃えカスのようなもので、プリン体という物質の最終的な形です。通常は、腎臓の働きによって老廃物として尿と一緒に排出されます。しかし、うまく排泄されなかったり、魚介類や肉類などプリン体を多く含む食品を摂りすぎると、血液中に尿酸が増加してしまいます。これが高尿酸血症です。高尿酸血症は自覚症状がありませんが、そのまま放置して進行すると痛風の発作やさまざまな病気を引き起こします。

高尿酸血症 どんな人がなりやすい?

美食家でアルコール好きの30~60代の男性

高尿酸血症、痛風の元凶はズバリ尿酸の増加。その尿酸の増加を招く原因は、美食、アルコールの多飲などです。美食は尿酸の元になるプリン体をたくさん含む食品が多く、またアルコールの飲み過ぎも尿酸の排泄を妨げます。美食家でアルコール好きの人、特に30~60代の男性は注意が必要といえるでしょう。果物やたんぱく質の摂りすぎも要注意です。

1.男性

痛風の患者の99%以上が男性。これは女性には男性の3分の2しか体内の尿酸の量がないことや女性ホルモンの代謝が関係していると考えられています。

2.肥満

痛風の原因である尿酸は、太っていると排泄しにくくなります。また肥満の人は、美食・過食気味で、プリン体を多く含む食品を好む傾向にあります。食事内容に気をつけ、肥満の解消を。

3.プリン体

内臓や肉汁などの食品は、プリン体を多く含んでいます。絶対ダメということはありませんが量には注意が必要です。

4.激しい無酸素運動

短距離走、マシントレーニングなど、短時間で筋肉を激しく使う運動は、新陳代謝が活発になり、尿酸量を上昇させます。健康のためには、 ウォーキング、水泳などの有酸素運動がおすすめです。

5.性格

痛風にかかる人は、仕事をバリバリやる人、社交的で活発な人に多いようです。これは、こうした人は、よく食べ、よく飲むといった傾向にあるから。心あたりのある人は、食生活の再チェックを。

6.アルコール

アルコールの飲みすぎは容易に摂取エネルギーの過剰につながります。また、アルコールは尿酸値を上昇させます。特にビールにはプリン体が多く含まれているので要注意。

7.ストレス

過度のストレスは、尿酸を上昇させる可能性があるうえに、ストレスの解消を目的とした飲み食いでさらに尿酸が上がります。上手にストレスコントロールを。

8.遺伝・体質

痛風は、家族など伊痛風患者がいるとなりやすいといわれています。これは腎臓からの尿酸の排泄に体質的な要因が働いているためといわれています。

9.足の親指の痛み

痛風の発作の約7割は、足の親指のつけ根付近。発作の前兆として、足の親指付近がムズムズしたり、赤くはれたり痛んだりするので、症状がみられたら即専門医へ。

10.高尿酸

健診で「尿酸値が7.0以上」はすでに高尿酸血症の状態。いますぐ発作がおこるとは限りませんが、生活改善など注意が必要。

心がけたい食事の注意

  1. 日の摂取量を適量に食事の総量を減らす(肥満を防止)
  2. 尿酸の元になるプリン体を多く含む食品を控えよう
  3. 尿酸値を上げる酒の飲み過ぎに注意
  4. 水分を十分に摂取して尿酸の排泄をスムーズにしよう
  5. 尿酸の排泄を促す野菜・海藻類を多く摂ろう
  6. グルメに偏らず多品目食事でバランスよく食べる

プリン体を多く含む食品
魚介類:いわし、あじ、かつお、ひらめ、エビ、魚卵、煮干しなど
肉類:牛レバー、豚・牛・鳥のモツ類など