15メタボリックシンドローム船員ほけん 2025 .1. 2肥満と肥満症について:日本肥満学会 /JASSO 抜粋内臓脂肪の蓄積状態に注目し、予防のための概念として特定健診の項目に取り入れられました。最近の健診では腹囲を測定し、男性 85cm 以上、女性 90cm 以上をチェックされるようになっています。図で示されるように、こちらには BMI という概念はありません。たとえ体重の少ない人であろうと、腹囲が上記の基準を超えて、かつ血圧や血糖値、脂質などが図の基準に達した場合にはメタボリックシンドロームとなります。このメタボリックシンドロームは、心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる動脈硬化性疾患を引き起こすリスクが高いため、早期に内臓脂肪を減らすことが求められます。全身の動脈硬化の状態はなかなか見ることはできないのですが、健診では頸動脈超音波検査や眼底検査でその一部を見ることができます。一般健診でメタボリックシンドロームと判断された場合は、頸動脈超音波検査で動脈の状態(プラークの有無や石灰化の有無)や眼底検査で網膜の毛細血管レベルの動脈硬化の進行を確認するのも良い方法と思われます。現在の健診は非常に多くの検査を行っており、全部を把握することは困難かもしれませんが、生活習慣病と関連のある検査、表示される病気の意味などは知っておくと良いと思われます。生活習慣を変えていくことにより検査数値がどんどん改善されると、やる気も起きてきますし、なにより健康になってきます。人生 100年時代と言われております。100 年無事に生き抜くには、日頃のメンテナンスが重要であることは機械も体も同じであることにご留意ください。
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