オホーツク海と知床連山（※ 1）により作られる甜菜糖（て10オホーツク海に面した網走港は、1 月の後半から 3 月にかけて流氷が押し寄せ、氷に閉ざされる。海上が真っ白な大地のようになる光景は、圧巻である。遠く異国まで歩いて行けるような錯覚を起こす。そして、海岸線の右側に見える知床の山々のシャープな稜線は凛として聳（そび）え、人の侵入を拒むような、自然の強さと美しさを感じさせる。網走港は、重要港湾で、北海道で生産される小麦の積出港であり、北海道産の甜菜（てんさい）んさいとう）製造用の石炭輸入港としても使われている。また、日本屈指のサケの水揚げ港であり、さらにカニやホタテなど多様な魚介類が取れる海の恵みの町として知られている。網走港は、日本人の食を支える港のひとつだ。近年、網走では、海の魅力を地域振興に結び付ける動きが進められてきた。2009（平成 21）年 1 月、網走の市街地に近い、網走川の河口付近の港の一画に「みなと観光交流センター」が建設された。みなと観光交流センターは、別名道の駅「流氷街道網走」という。レンガ造り風の 2 階建てで、2 階の展望デッキ、飲食店からは、オホーツク海や知床半島の山並みが一望できる。飲食店は、フードコート「網走キネマ館」という名で、レトロ映画を意識した雰囲気の中で、魚介類を始めとしたご当地グルメを味わうことができる。網走は、数多くの映画のロケ地ともなっていることを前面に出しているのだろう。キネマ館の看板にあるトップスターは、健さんこと、高倉健さんである。健さんを一躍スターの座に据えたのは、1965（昭和 40）年の大ヒット作「網走番外地」である。また、セン タ ー の 1 階 に は、2018（ 平 成30）年に公開され第 42 回日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀主演女優賞など多くの賞を取った「北の桜守」のロケのセットが展示さ東海大学海洋学部教授山田 吉彦オホーツク海 網走市
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