船員ほけんVol.742
11/20

11「竹富島憲章」を目にする。ことができる「島」である。竹富島に上陸すると、すぐにこの憲章は、1.『売らない』 島の土地や家などを無秩序に島外者に売買・貸与しない。2.『汚させない』 海や浜辺、集落等島全体を汚さない。また汚させない。3.『乱さない』 集落内、道路、海岸等の美観を広告等で乱さない。また島の風紀を乱させない。4.『壊さない』 由緒ある家や集落景観、美しい自然を壊さない。また壊させない。5.『生かす』 伝統的祭事行事を島民の精神的支柱として、民俗芸能、地場産業を生かし、島の振興を図る。以上の「五項目」を基本理念としている。島外者の移住や土地、建物の売買には島の人々の合意が必要で、短期間の観光の枠を超えると、厳しい条件が付与される。地域の自然や文化を守るために、地域住民の方々と地域行政が選んだ「島を守る」ルールである。近年では、高級リゾートホテルなども進出しているが、島のルールを逸脱せずに、島人との融和を進めているところが多い。むしろ、今まで島にたりなかった淡水化装置などのインフラを持ち、災害時には島人と共有できる体制を取っている。ただし、島の秩序維持を保証できない宿泊施設の進出などには、今も厳しい目が向けられている。竹富島を楽しみ、思い出の地としたい方には、港近くの「竹富島ゆがふ館」を訪れることを勧めたい。ゆがふ館では島の自然、文化、人との関りについて知ることができ、古くから伝わる島の独自ルールなども紹介している。基礎知識を得てから、竹富島の街並みを歩くと、一層、島の文化の深さを知ることができる。赤瓦屋根の民家が立ち並ぶ街並みは、八重山地方のみならず、沖縄の地域生活の象徴的な光景になっている。この街並みを散策するために、八重山観光を訪れる人も多い。また、竹富島の海岸は、コンドイ浜が知られているが、白い砂浜が広がり、透明度も高く海水浴、シュノーケルを楽しむ観光客が多い。また、星のような形をした砂「星砂」が見られる星砂の浜(カイジ浜)もある。星砂は、原生生物である有孔虫の殻である。生物学的にも興味が魅かれるものであ赤煉瓦屋根の民家船員ほけん 2025 .7. 8

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る