船員ほけんVol.742
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14お酒を飲むことが、歯や口の中にどのような影響を与えるか考えたことはありますか?飲酒は人々にとって楽しいひとときですが、その一方で口腔内の健康に対する深刻なリスクも存在します。①口腔内の乾燥アルコールは利尿作用があり体内の水分を排出させるため、口腔内が乾燥し唾液の分泌が減少します。唾液には抗菌作用や酸から歯を守ったり、口の中の食べかすや細菌を洗い流したりする役割があるため、少なくなると細菌が増殖します。それによってむし歯や歯周病のリスクを高め、口臭の原因にもなります。②むし歯リスクの増加アルコールは酸性が強いため、長期的に取り続けることで歯のエナメル質が弱くなり、むし歯や知覚過敏、歯の着色が進むことがあります。甘いカクテルやリキュールは糖分が多いため、むし歯リスクを高めます。口の中は pH 値7 程度の中性に保たれていますが、ほとんどのお酒の pH 値が 5.5 以下のため、エナメル質に影響を及ぼします。③歯周病リスクの増加アルコールにより唾液の分泌が減少すると、歯垢が付きやすく細菌も増殖し歯周病リスクが高まります。また、血流の増加により歯ぐきの炎症が悪化しやすくなります。アルコールが分解される際に体内にアセトアルデヒドという物質が生成され、それにより歯ぐきなどの歯周組織を傷つけて歯周病を引き起こします。お酒を飲んで顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドの分解が遅く影響を受けやすいため、お酒を飲めない人の 4.28 倍も歯周病のリスクが高いと言われています。アルコールを受け付けないアセトアルデヒドの分解が速いお酒に強く、お酒を飲んでも赤くならない歯周病のリスクが低いアセトアルデヒドの分解が遅いお酒に弱く、お酒を飲むと赤くなる歯周病のリスクが4.28倍高いお酒が飲めない飲めないのでリスクに換算しない船員保険福岡健康管理センター 健康管理科不 活 性 型(日本人の40%)失 活 型(日本人の4%)活 性 型(日本人の56%)飲酒が及ぼす歯や口への影響健 康 広 場

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