船員ほけんVol.742
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おさかなマイスター認定№0083 田口 成子おさかなマイスター認定№0083 田口 成子近年、夏の暑さが厳しく長く感じられます。夏を乗り切り疲れが出る前に、栄養価の高いウナギ(ニホンウナギ)やアナゴ(マアナゴ)を食べたいですね。古くから夏の暑さを乗り切るために脂肪分の多いウナギが食べられていました。奈良時代に成立した最古の和歌集、万葉集の中に鰻を詠んだものもあります。江戸時代になると蒲焼に発展しますが、最初はそのまま適当な大きさに切り、串に刺して焼いていました。その形が植物の蒲(がま)の穂に似ていることから蒲焼と名づけられ、塩や味噌で味付けされていました。ブツ切りのウナギは中骨(脊椎骨)があり、食べ辛かったようで、中骨を取るために開きにして焼き上げました。上方で始まった蒲焼も江戸の近辺で醤油やみりんの醸造が始まるとタレで焼き上げるようになり、現在の形になりました。江戸時代後期には、醤油、みりん、砂糖が調味料として庶民に広まり、一般的に使われるようになり、蒲焼人気が始まりました。土用の丑の日(どようのうしのひ)にウナギを食べることは、大変有名です。現代では立秋前の 18 日間を土用といい、7 月 20日頃から 8 月 7 日位でしょうか。一説によると平賀源内が書いた引札「本日土用丑の日」が大評判になったという話もありますが、食欲の落ちた猛暑の土用の丑の日は、ウナギ屋は大繁盛していたようで、今日にもつながっています。関東と関西ではさばき方が違います。関東では背開きにします。武士の多かった江戸時代、腹開きは切腹につながると嫌ったそうで、アナゴ> ゜)))彡 <蒲焼きの起源>> ゜)))彡 <さばき方と調理法>16料理研究家第 5 話魚を食べ続けたい私たち夏のスタミナ食 ウナギ・アナゴ

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