船員ほけんVol.742
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17の開き方も同様に背開きです。関西では腹開きです。一方、夏に人気のハモは、関東、関西ともに腹開きです。ウナギやアナゴに比べて小骨(肉間骨)が強いので、骨切りが必要です。開いた後のウナギはどちらも白焼き(しらやき)にしますが、関東ではさらに蒸してからタレにつけて焼きます。ふっくら柔らかい蒲焼きになり、う巻き(蒲焼きを巻いた卵焼き)もこちらで作ります。関西では蒸さずにつけ焼きしますのでやや固めに仕上がります。ウナギの姿ずしや佃煮も有名です。ウナギ茶漬けは鞍馬の山椒とともに煮たもので、炊き立てのご飯にのせて熱々の煎茶をかけて食べます。お土産としても人気があります。夏バテ解消効果のあるウナギにはビタミン B1 含有量がカツオの 3 倍、牛肉の 6 倍、ビタミン A 含有量は卵の 10 倍多く、DHA、EPA、コラーゲンも多く含まれています。ウナギに似ているアナゴ(マアナゴ)ですが、ウロコはほとんど退化し、表面は強い粘液で覆われています。アナゴは側線に白い斑点がエラブタから尾びれ近くまであり、体色は同じ海域でも黒、灰、褐色と異なっています。脂肪はウナギの半分ですが、ビタミン A を多く含みます。天ぷらにはメソと呼ばれる脂肪分の少ない 50 ~ 60g の稚魚が好まれます。他にすし種、白焼き、柳川風煮にされ、広島のあなごめしは有名です。江戸前をはじめ、一般に旬は夏ですが、産地によって異なります。産地からの出荷形態は様々ですが、東京・豊洲市場は活魚での入荷が基本です。市場からは、活きたまま料理店などへ運ばれるほか、頭の後ろに包丁を入れた活け締めや、開いてから運ばれる場合もあります。また、産地で開いたものも市場に入荷します。~ 煮アナゴを作ります ~築地に市場があった頃は、毎夏何度か活けのアナゴを買いに出かけ、煮アナゴを作りました。最近は時折ですが魚売り場に捌いたアナゴが売られており、楽しみに作っています。下処理の表面のぬめりを丁寧に取る作業が大切になります。煮る時に大切なことは、煮汁を多めに作り静かにゆっくりと煮て、柔らかくなったら煮汁を残します。煮る時間は 20 ~ 40 分位が目安です。好みの煮アナゴが作れますので、この夏挑戦してみてはいかがでしょうか。たっぷりのアナゴ丼がいただけます。> ゜)))彡 <ウナギの栄養>> ゜)))彡 <マアナゴ>船員ほけん 2025 .7. 8

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