船員ほけん743号
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17作られています。肉厚のしめサバとすし飯を巻きすで巻いて棒状に作り、サバの表面に白板(しろいた)昆布をのせます。昆布の旨味がつき、表面を乾きにくくするためです。厚みのある昆布を削り、中心の薄い板状になった部分を酢と砂糖で煮たものが白板昆布です。同じサバずしでも、箱を使ってしっかり押して一口大に切ったものを大阪ではバッテラと呼びます。古くから有名な奈良県の柿の葉ずしは、うすく切った塩サバの身を甘口に味付けされたすし飯にのせ、柿の葉で包み、重石をして味をなじませます。柿の葉で包むことにより、抗菌作用と保存性を高める効果があり、今も郷土料理として受け継がれています。その他、福井県の焼きサバずしや高知県の頭をつけたままの姿ずしなどがあります。酢の代用に特産のスダチやカボスなど柑橘類の絞り汁を使い、風味豊かな鯖ずしが作られ、各地で工夫されています。サバは回遊魚で日本近海に広く分布しています。紡鐘(ぼうすい)形で、群れで泳いでいます。日本近海にはマサバとゴマサバが生息しており、サバずしに使われる多くはマサバです。10 月~ 12 月にかけて最も美味しくなります。ゴマサバは腹部の銀白色に黒い斑点が多く、マサバに比べ小型で比較的脂肪が少ないです。年間通して出荷されるので、ゴマサバでサバずしを作る地方もあります。ゴマサバの特徴を生かし、サバ節としてうどんやそばの汁物の出汁としても使われています。香りはあっさりとしていて、出汁の味は濃厚でコクがあります。近年、多くのブランドさばが知られています。特に大分県佐賀関町の小さな漁港に水揚げされる関サバ(マサバ)は人気です。潮の流れの速い豊予(ほうよ)海峡で一本釣りされたサバで、身はシコシコしていて旨味が強く、他の産地と差別化するために独自の出荷方法を取っています。近年、主にノルウェーから輸入されているタイセイヨウサバは背の波状紋が太く、くっきりとしているのが特徴です。三枚におろされたサバは脂肪の含有量が多く、塩サバや惣菜(そうざい)用として流通しています。サバは鮮度が見ただけでは分かりづらく、鮮度が落ちやすい魚なので、購入したらすぐに調理することをおすすめします。最近、魚料理を紹介していると、煮魚はあまり人気がないのですが、どの世代にも喜ばれるのはサバのみそ煮です。みその風味が臭いを消し、甘辛く煮るみそ煮は脂がのったサバと相性が良いです。さっと煮るバッテラマサバ> ゜)))彡 <サバの種類>> ゜)))彡 <家庭で作って欲しいサバのみそ煮>船員ほけん 2025 . 9 .10

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