船員ほけんVol.744(2025年11・12月号)
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今年は宮城県南三陸町志津川で、イセエビの異例の豊漁が話題になりました。本来の産地よりも北の海で水揚げされています。海水温の上昇の変化は、多くの海産物にも影響が出ているのでしょうか。日本では食材に縁起の良い意味を込めて食べる風習があり、特にエビは姿、形から代表とされている食材です。なかでもイセエビは数十年生きる個体もあり、長生きの象徴とされています。新しい一年の繁栄、健康を祈るための正月飾りや正月料理にも使われています。豪華な見た目に華やかな雰囲気を盛り上げます。太平洋側の岩礁地帯に棲息し、房総半島、伊豆半島、紀伊半島沿岸で漁獲され、日本近海でしか獲れない固有種です。イセエビは死ぬと鮮度の低下が早いので、生のまま冷凍したもの以外は、生きた状態で流通します。エビ類の多くは養殖が可能ですが、イセエビは天然しかありません。輸入物を含めて 1 年中出回りますが、地域ごとに禁漁期間(産卵期など)を設けています。祝いで使うイセエビの大きさは、体長 20 センチ、重さ 200g 程度です。生きたイセエビをそのまま沸騰した鍋に入れると自分で足を切り落としてしまうので、茹でる前に氷水に15 分程浸けて仮死状態にします。①水を入れた大きめの鍋に、水1L に対し塩 20 〜 30 gとイセエビを入れて火にかけます。②湯が吹きこぼれないように注意して、 全体が赤くなる程度に 15 〜 20 分茹でて取り出します。イセエビ> ゜))) 彡 <縁起の良い食材>> ゜))) 彡 <歩くタイプのイセエビ>歩行類> ゜))) 彡 <イセエビのゆで方>16日本人が大好き エビ第7話魚を食べ続けたい私たちおさかなマイスター認定№0083 田口 成子おさかなマイスター認定№0083 田口 成子料理研究家

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