船員ほけんVol.744(2025年11・12月号)
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17 世界で 2000 種以上いるエビ類ですが、水温の低い北海の水深の深いところから、暖かい南洋の浅瀬を好むものまで、その棲息域はかなり広いです。日本人は世界の中でもエビ好きで消費大国です。特にクルマエビはとてもきれいな姿形で、身は締まって甘さがあります。天然のクルマエビの旬は夏から秋にかけて、養殖物は冬から春です。クルマエビの仲間で市場に多く出ているのはバナメイです。海外で日本向けの養殖が盛んに行われ、冷凍輸入されています。その他、ブラックタイガー(ウシエビ)などが冷凍輸入されています。各地に運ばれ、解凍され、少量ずつパックで売られています。江戸時代には、エビは料理の食材として欠かすことの出来ないものになりました。江戸前では、質の良いクルマエビ、シバエビが多く獲れ、日本橋の魚河岸にもたらされ、すしや天ぷらで食べました。文明開化以降、洋風料理にエビスープ、エビサラダ、エビカレーが登場します。戦後は食の洋風化がさらに進み、外食産業が急成長し、世界で最もエビを食べる国になりました。現在のエビ料理の人気は天ぷらとフライです。漁獲されたエビは細菌や酵素により、品質の低下が激しく、風味が落ちやすく、殻は光沢を失い黒くなり、透明であった肉は浮白色に変わります。そのため、冷凍は品質を安定させ保存するための手段です。日常買い求めるエビのほとんどが冷凍、または解凍エビです。調理する時にひと手間かけるとよりエビの美味しさが味わえます。解凍されたエビは鮮度が落ちやすいので、できるだけ早く使います。必ず塩水で洗い、殻付きのまま使うときは、背(腹節)の第二関節あたりから竹串で背ワタを取り除きます。湯の中に酒大さじ1またはレモンのうす切りを1〜2枚入れると風味良く、色良く茹で上がります①。また炒め物などに使う時は、殻をむいて包丁で背に浅く切り込みを入れ、背ワタ(腸)を取り②、少量の片栗粉をまぶして軽くもみ③、水洗いし、水気を拭き取り下味を付けます。エビがプリッとして味も良くなります。クルマエビ①殻付きにはレモンを入れて ②背を浅く切り込みを入れて③炒め物などにはエビに片栗粉をまぶす> ゜))) 彡 <泳ぐタイプのエビ>遊泳類> ゜))) 彡 <日本人が好きなエビ>> ゜))) 彡 <エビの調理の下処理> 船員ほけん 2025 .11.12

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