13脇浜温泉浴場の脱衣箱雲仙地獄 ある。おもしろい入浴方法としては、小浜の前に山の温泉である雲仙の湯に浸かるのである。雲仙は「酸性硫黄泉」で、皮膚の老廃物や皮脂を除去するピーリング系の湯だ。つまり、雲仙でさっぱりと「一皮むいて」、その後に小浜でしっとり「仕上げる」。こうした入り方を「合わせ湯」とか「機能温泉浴」という。髪でいえばシャンプーのあとにコンディショナーで整えるようなものだ。この入り方は上州(群馬県)が発祥で、江戸時代から「草津の上がり湯、沢渡温泉(または四万温泉)」と言われる。酸性硫黄泉の草津の湯では皮脂が除去され乾燥肌の人はトラブルを招くことがあるので、保湿系の沢渡温泉や四万温泉で仕上げましょう、という意味である。2002 年頃から別府温泉で同様の組み合わせである明礬温泉⇒鉄輪温泉のコースを「機能温泉浴」と名付けて売り出し、なかなか好評である。明礬から鉄輪は車でわずか 7 分の距離だが、雲仙から小浜も車で 20 分なので十分に成立するであろう。ちなみに草津から沢渡は峠を二つ越えて 45 分もかかるので機能温泉浴は湯が多様な九州勢が有利だ。温泉地は理科の教材に恵まれ、地学、化学はもとより、温泉に棲む微生物(生物)、温泉に浮遊する粒子(物理学)を含めると理科 4 科目すべての学習が可能である。温泉地の成立(歴史学)、観光振興(社会学)など人文系の学びにも適するため、東海大学静岡キャンパスでは温泉地でのフィールドワークを選択科目に4 種ほど設定している。学生は温泉地で単位が修得できる仕組みで、人文学部の中には温泉地を題材に卒業論文を書く学生もいる。「温泉学」はフィールドがただ温泉というだけで、中身は自然科学、社会科学である。これは「海洋学」にも当てはまり、フィールドがただ海というだけで、海洋学部は自然科学全般を扱う。海洋学部と人文学部のある静岡キャンパスは、その実、ほぼ全分野をカバーするユニークな拠点である。 船員ほけん 2026 . 5 . 6
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