温泉散歩ぐるり海道温泉散歩温泉散歩ぐるり海道温泉散歩ぐるり海道10西ききょう健康グランド(温泉施設の外観)流行歌になるぐらい「はるばる来るにふさわしい観光地」が函館である。函館山からの100万ドルの夜景、朝市に代表される海鮮グルメ、星形要塞の五稜郭など、枚挙に暇がない。そして何といっても函館は名湯の宝庫である。今回は港町「函館」の湯を紹介したい。まず、函館の温泉として名が挙がるのが「湯の川温泉」である。市内中心部に近く、津軽海峡を愛でる絶景の露天風呂が海沿いのホテルにしつらえられる。湯はバランスの取れた塩類系で、硫黄の香りなどはないもののジンワリと温まる良い湯である。北国にふさわしい。湯を官能評価するとわずかに苦味と塩味を感知する(飲泉には施設により可否があることに注意が必要)。湯の川温泉では湯を再利用する「循環式」も多いものの、数軒は「源泉かけ流し」である。その湯が持つ本来の個性を味わいたいなら源泉かけ流しの施設を選びたい。筆者はビジネスホテル的な割安価格の「雨宮館」に泊まったがここは見事な源泉かけ流しの名湯であった。食の世界と違い、温泉は「値段が高ければ湯が良い」とは限らない。豊富な湯量と泉温に恵まれた温泉にはボイラーも循環設備も不要ゆえ、むしろ入浴料が安く設定されていることが多い。あれこれ要らぬ加工をすれば値段も上がるのだ。加工をしていない源泉ほど有難い。上質の日本酒やワインに混ぜ物をしないのと同じである。さて、湯の川温泉から少し離れると個性的な名湯がある。ぜひ訪れたいのは「西ききょう健康グランド」だ。いわゆる観光要素はゼロである。何せ名前は「グランド」で、これはグランドホテルなどではなく本当にグ東海大学人文学部 学部長・教授(海洋環境・温泉観光文化・地域振興研究者)斉藤雅樹第4回 「函館の温泉」
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