船員ほけんVol.748(2026年7・8月号)
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11水無海浜温泉恵山温泉ランド(運動場)に併設された湯である。ここの湯が絶品なのである。浴室ドアを開ければそこはワンダーランドだ。温泉成分が床や壁に付着し「析出浴槽の文化財」と呼びたくなる。その造形が見事でこの湯が地元で愛されてきたことがわかる。湯の味は苦味と塩味が強く「塩化カルシウム味」と言って良いだろう。ちょっと油を思わせるような湯の香も特徴的で、臭素イオン2.6mg、ヨウ素イオン0.5mgなどがスパイス的に効いている。遊離二酸化炭素175mgもなかなかの数字で泉質名になるほどではないが湯あがりの保温感には寄与しているだろう。函館中心部から車で1時間ほど東に向かえば海と一体化した露天風呂「水無海浜温泉」がある。豪快そのものの混浴露天風呂だが手前には更衣室が整備されており、湯浴み着を持参すれば老若男女みな抵抗なく入浴できるだろう。海好きには見逃せない温泉だ。海を見ながら湯の中でぼんやりと心身を解き放てば、ほかに何も要らない幸せに全身を委ねられる。ここの後ろ側の山には「恵山温泉(えさんおんせん)」という強酸性(pH2.2)のとんでもない名湯があって筆者は大好きなのだが、後継者不足で閉業してしまった。個性の強い酸性の湯でありながら新鮮な湯 が大量にかけ流されていて奇跡的な温泉だと感じさせる。営業再開を待ちたい。私見になるが、酸性の温泉は男性が好み、アルカリ性の温泉は女性が好む傾向があるようだ。また、ミネラル豊富で析出物の多い硬質な湯は男性に好まれ、ミネラルの少ないヌルヌルする軟水系の湯は女性に好まれる傾向がある。もちろん個人差はあるし、根拠データは無い。しかし、研究者として一度は社会調査を行い、このことを検証したいと思っている。先ほどと逆に、函館から西へ車を1時間あまり走らせると「知内温泉(しりうちおんせん)旅館」に着く。開湯800年を誇る北海道で最古の温泉と説明書きがある。ここは硬質の湯の代表のようなタイプで、カルシウム系の析出物が床一面を覆い、まことに壮観だ。温泉好きなら扉を開けた瞬間に「オオッ」と叫んでしまうだろう。日本秘湯を守る会の一軒であり、きちんと整備された温泉旅館である。湯の質ばかりを追い求めると、湯以外の要素がお粗末で同行者から不満が出る場合があるが、ここ知内温泉旅館にそのような心配はない。マニアックな湯好きにも、普通の旅人にも喜ばれるだろう。知内温泉からやや北側に位置するのが「湯ノ岱温泉(ゆのたいおんせん)」である。上ノ国町国民温泉保養船員ほけん2026.7.8

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