12知内温泉湯ノ岱温泉の野湯センターという整った施設があり、2本の源泉を持ち2種類の個性を浴室で味わえる。特に1号泉の方は二酸化炭素をムンムン感知できる名湯で、湯上りは血行が良くなりポカポカするほどだ。まことに優れた湯なのだが、浴槽はジャグジー(泡風呂)の趣向があって湯の本来の泡付きや炭酸ガス感覚を味わうには少し邪魔になる。高級ワインにアルコールを添加するような行為は不要であろう。このほか、湯ノ岱温泉には川岸に小さな野湯があり、こちらも見事である。きちんと管理されていて野湯好きには最高だが、滑りやすいので足元には注意が必要だ。北海道は何せ広いため、本州の感覚で移動すると間違える。北海道南西部のとがった部分全体を渡島半島(おしまはんとう)と呼ぶが、この南端部分を海沿いに東西に移動するのに車で2時間以上かかる。先述の水無海浜温泉から知内温泉に行くとだいたい2時間ほどだ。東京の人が「札幌のついでに函館に行って」などと話しているのを聞くが、札幌から函館は車で300キロほどあって、東京からだと愛知県の岡崎市に行く距離感である。ただし、北海道はおおむね道は整備されて車も少ないのでドライブは快適そのものだ。スピードの出しすぎには気を付けたい。このほかにも函館には語りたくなる名湯がたくさんある。道南のごく先端部分だけでも数々の名湯がある。北海道はまさに恐るべき温泉アイランドだ。本州以南が猛暑、酷暑を迎える長い夏こそ、北海道で優雅に湯めぐりを楽しむのも一興である。
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