船員ほけんVol.749(2026年9・10月号)
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11出湯温泉(華報寺の湯) 華報寺共同浴場提供月岡温泉(湯宿あかまつ)油掘削の際にたまたま温泉が湧いたことから湯治場となった比較的新しい温泉地である。先述の西方の湯も天然ガス田からの供給であり、新潟は油田・ガス田がらみの温泉が多い。月岡温泉の湯はなんといっても硫黄の香りが非常に強い。そして石油の香り(愛好家は「アブラ臭」と呼ぶ)もする。臭素とヨウ素の香り、すなわち海の香りとうがい薬の風味も少々ある。心地よいヌルヌル感と塩味、しかも色は美しいエメラルドグリーンの緑色透明だ。こんな不思議な湯が世の中にあったか、という感動さえ覚える。月岡は循環式の温泉施設が多く、源泉かけ流しはわずかであるが、筆者は「湯宿あかまつ」を日帰りで利用した。このかけ流しの極上名湯には泊まってゆっくり味わいたいと感じた。さて、クセの強い湯は大歓迎であるのだが、こうも強烈な湯が続くと贅沢なめまいを覚えることもある。月岡から南西に山沿いに進めば五頭温泉郷(ごずおんせんごう)に着く。その一つ、出湯温泉(でゆおんせん)は無色透明で清澄な単純温泉。万人向きのやさしい湯である。地元の方々が愛用する共同温泉も素晴らしいが、奥に立地する華報寺の湯(けほうじのゆ)はフワリと軽い硫黄の香りも漂う。出湯温泉は1200年の歴史があり、弘法大師の開湯伝説が残る新潟県最古の湯だ。宿が5軒、共同湯が2つという静かな温泉地で、街道から延びた道の行き止まりにある。似た情緒を持つ村杉温泉、今板温泉と合わせて五頭温泉郷と呼ぶ。思うに、透明な湯は比較的シニア世代が好み、濁り湯や個性湯は若い世代が好む傾向があるようだ。一説によれば「昔は透明な水が貴重で濁った水も多かったが、いまや蛇口をひねれば清浄な水道水がふんだんに船員ほけん2026.9.10

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