胃部レントゲン(X線検査)
胃部レントゲン検査は、通常、バリウムを含んだ造影剤を飲み、消化管に沿って流れる状態で、形、大きさ、粘膜の状態、動きなどを観察します。
検査部位
胃・十二指腸
胃は容量が多く、ひだも多いので、造影剤の量も多くなります。胃のなかをくまなく検査するために、さまざまな体位で行われます。
胃・十二指腸の病気の診断には不可欠なものです、あらゆる病変に有効です。とくに胃の変形の程度、緊張度や動きなどの情報を提供してくれます。
心がけたい生活習慣
胃腸は、摂取した食べ物を消化、吸収する場所ですから、食べ物による刺激をできるだけ少なく、負担をかけないようにすることが胃腸を守る食事のコツです。
胃腸病の原因には、食べ物と直接関連しておこるものと、ストレスなどが引き金になっておこるものがあります。現代社会はまさにストレス社会であり、ストレスが消化のための胃粘膜の分泌を狂わせ、胃や腸の粘膜を荒らしてしまうことが非常に多くなっています。心身のストレスを解消するための生活習慣を身につけ、胃腸を守りましょう。
1.粘膜強化のための高たんぱく食
胃粘膜を強化・修復するためには1日に体重1㎏あたり1.2gのたんぱく質が必要です。たんぱく質食品のなかでも、消化のいい牛乳、脂肪の少ない肉類、豆腐などを中心にとるようにしてください、とくに牛乳は胃酸を中和する働きがありますから、積極的に料理に活用しましよう。
2.胃腸にやさしい食べ物
胃腸に負担のかからない食べ物を食べましょう。糖質は胃液の分泌を促すことが少なく、胃のなかでの停滞時間も短いために、胃にはやさしい食べ物です。脂肪も適量ならば胃液分泌をおさえて胃を安静に保ちます。動物性の脂肪よりも植物性を使用してください。
3.緑黄色野菜を十分に
がんの予防にもなるというデータもありますから毎日摂取するように心がけましょう。緑黄野菜の代表各はほうれん草、小松菜、春菊、大根やカブの葉、ニラなどのような緑の濃い菜っ葉類、ニンジン、カボチャ、ブロッコリー、さやえんどうなどです。
4.嗜好品の是非
嗜好品は人生を豊かなものにするためには欠かせないものですが、胃腸の立場からみると、多くの問題を含んでいます。
(コーヒー)問題になるのは、コーヒー成分のなかのカフェインです。胃酸の分泌を促し、食欲増進には望ましい飲物ですが、急性胃炎や潰瘍のときには勧められません。ただし、カフェインはコーヒーよりもむしろ緑茶に多く、潰瘍との関係もはっきりしないので、食後のコーヒー程度ならば問題ありません。
(アルコール)適量のアルコールは食欲増進、ストレス解消の効果がありますが、強いお酒は胃粘膜に傷をつけます。百薬の長の範囲でならば大丈夫です。
(香辛料)多少の香辛料は、食欲増進しますが、刺激物ですから、多量の摂取は控えましょう。
5.楽しく食べよう
胃腸は自律神経に支配されています。とくに迷走神経によって調整されており、心の動きと密接な関係にあります。楽しく食べれば消化も昂進します。
6.規則正しく食べよう
おいしいものを見ると唾液が出るように、同じ時間に食べ物が入ってくることが習慣になってくると、胃液の分泌もスムーズに行われます。
7.胃への刺激を少なくしよう
熱すぎるもの、冷たすぎるもの、辛すぎるものなど、「すぎるもの」は胃の刺激になります。過度の刺激は胃粘膜を荒らします。
8.気分転換法を身につけよう
自分なりのストレス解消法をみにつけましょう。気分転換できるものならば何でもかまいません。
9.睡眠不足にならないように、夜更かしを続けない
睡眠不足は胃腸機能を低下させます。ゆっくり眠れば胃も心も健康をとり戻します。
10.適度な運動をしょう
適度な運動はストレス解消になるばかりでなく、胃腸の機能も高めます。
11.できるだけ薬は飲まない
薬は胃粘膜を荒らします。とくに鎮痛解熱剤は潰瘍をおこしやすいので注意しましょう。
12.便秘を解消
楽しく食べ、快適に排便することは生活の基本です。胃腸内での食べ物の停滞は、腸内の悪玉菌を増やします。便秘を解消するために食物繊維を多く含む食品を摂取しましょう。
13.禁煙しょう
喫煙は胃の粘膜に栄養を補給する血液の流れを低下させ、胃粘膜の抵抗力を低下させます。また、胃の防御作用に悪影響を及ぼし、胃酸分泌を刺激するともいわれています。喫煙者の潰瘍は治りにくく、再発しやすいことも知られています。したがって禁煙が何よりです。