血液検査(一般検査)

血液はわたしたちのからだ中の隅々まで流れているもの。そしてからだの器官を動かす原動力ともなっています。ですから、これらの血液細胞に異常が生じるとからだ全体に影響を及ぼします。中でも貧血は血液の代表的な病気の一つです。

検査項目

赤血球数(RBC)

血液中の赤血球の数を調べます。低い値の異常は貧血が疑われることが多く、高い値は少ないのですが、多血症、赤血球増多症が疑われます。

白血球数(WBC)

白血球は、体内に侵入した細菌などを捕食し、また抗体を作り免疫の働きで細菌感染などから体を守っています。高い値は感染症、白血病などが、低い値は貧血、血液疾患などが疑われます。

ヘマトクリット値(Ht)

赤血球容積率のことで、血液中に占める赤血球の容積を%で表したものです。低い値は貧血、高い値は脱水症、多血症が疑われます。

ヘモグロビン値(Hb)

赤血球に含まれる血色素は酸素の供給に重要な役割をもっています。低い値は貧血が疑われます。

関連する症状:貧血

貧血とは、血液のなかの赤血球の数が減少したり、なかに含まれる血色素の量が不足することにより、体のすみずみにまで酸素を供給することができず、組織や臓器が酸欠状態になり、機能が低下した状態です。貧血にはさまざまな原因がありますが、鉄欠乏貧血は食事の影響がみられることがあります。

心がけたい生活習慣

1.鉄分の多い食品を知り食べる

肉類には、吸収率のよいヘム鉄が豊富に含まれているので、工夫して食べるようにしましょう。1日に10~15ミリグラムの摂取を目安にします。特にレバーは、鉄分と同時に造血素材のビタミンB12、葉酸も多く含まれ、造血素材の宝庫のような食品です。
また、小松菜、ほうれん草などの緑黄色野菜は、造血素材の葉酸を多く含みます。貝類、海藻類にも鉄分(非ヘム鉄)が豊富です。

2.良質のたんぱく質をとる

造血には欠かせない栄養素で、肉、魚介類、牛乳、チーズ、卵などに含まれます。鉄分の吸収効率をよくします。極端な偏食をしていると、不足することがあるので注意しましょう。

3.ビタミンCを十分にとる

ビタミンCを含む果物や野菜・いも類も一緒に食べることで、鉄分の吸収を増進させる作用が働きます。

4.よく噛んで食べる

噛むと胃液の分泌がよくなり、鉄分の吸収がよくなります。

5.少量の食前酒を飲む

食前酒の効用は、食欲昂進ばかりでなく、鉄分やビタミンB12の吸収をよくします。

6.調理には鉄のフライパンを使う

同じ食品を調理しても、鉄のフライパンを使うと、鉄の含有量が約3~30倍にも増加します。

7.ムチャなダイエット、極端なカロリー制限はやめる

全体の食事量が少なければ、当然、造血量も少なくなってしまいます。肥満であっても必要カロリー量は確保しましょう。

8.多品目食事でバランスよく食べる

単品の食事はやめ、定食、幕の内弁当など多品目の食品が入っているメニューを選びましょう。
いくら食事に気をつけたとしても、生活習慣が乱れていたり、運動不足では、せっかく摂取した栄養も十分に働くことができません。適度な運動、休養にも十分留意しましょう。