尿検査

尿検査では主に腎機能のチェックを行うほか、尿糖を調べて糖尿病を検査します。腎臓は血液の中から不要なものや、余分なものを選別して尿として排泄しています。特に注意したいのは尿たんぱくです。たんぱくは生命活動に欠かせない栄養分ですから、尿の中に排泄されるときは、からだに何らかの異常があるときです。

検査項目

尿たんぱく

腎炎・ネフローゼ・尿路感染症などの診断に役立ちます。

尿潜血反応

腎臓・その他泌尿器系の結石や癌・ポリープ・膀胱炎・前立腺炎などで陽性になります。

尿ケトン体

糖尿病性アシドーシス・脱水時・発熱性疾患などで陽性になります。

尿ウロビリノーゲン

肝障害・発熱性疾患・溶血性貧血・便秘などで陽性になります。

尿沈渣

尿中の細胞を顕微鏡でしらべ、腎臓・膀胱・前立腺などの疾患の程度を判断します。

尿素窒素・クレアチニン

腎臓の機能障害が起きると高値を示します。

腎臓について

血液をろ過してきれいにする

腎臓は体の左右にあるソラマメのような形をした小さな臓器です。血液をろ過し、体に不必要な老廃物、有害物質、水分などに分け、必要なものは再び血液に戻し、不必要なものは尿として排泄する役目をしています。もうひとつの大切な働きは、人間の体液は常に一定の弱いアルカリ性に保たれています、この内部環境を整えるという調整機能です。さらに、細胞の水分や塩分のバランスも腎臓の働きです。

関連する症状:腎臓病

もし、腎臓機能がストップすると、体中に尿素や窒素化合物がたまり、中毒症状をおこします。これが尿毒症です。尿が1週間も出なければ生命維持がむずかしくなります。その状態を腎不全といいます。急性の場合には原因となっている病気が治まると、腎不全から解放されることになりますが、慢性の腎炎では徐々に悪化し、腎不全を引き起こし、尿毒症になってしまいます。

心がけたい生活習慣

腎臓は体の内部環境を整える器官ですから内部環境が整っていれば、腎臓の負担は少なくなります。できる限り腎臓の負担を少なくし、腎臓機能を低下させないように日常生活習慣のなかでカバーしてあげましょう。

1.冷えや過労をしないように

冷えや過労は、体の抵抗力や免疫作用を低下させます。感染症にもかかりやすくなるので、体を冷やさない工夫、十分な休養に心がけましょう。

2.健康感度を高めよう

心臓病、糖尿病、高血圧症、痛風などの生活習慣病が進むと、腎臓機能の低下がおこります。生活習慣病のある人は、できるだけ早く改善しましょう。

3.塩分を制限しよう

腎臓病にかかると、血圧が上昇します。これは、腎臓のなかの血圧調整機能の低下によるもの。また、高血圧が腎臓の機能を低下させる原因にもなっています。高血圧を昂進させないために塩分の制限を行いましょう。

4.かぜ、扁桃腺炎は早めに治療、ゆっくり養生

急性腎炎はかぜや扁桃腺炎のあとにおこることが多いので、できるだけかからないように、かかったら早めに治療し、大事に至らないようにしましょう。

5.日常生活でおかしいと思ったらすぐに受診しましょう

顔やまぶたが腫れる、尿の様子がおかしい、排尿のときに痛みや違和感がある、頭痛や視力障害がある…・そんなときは、かならず受診しましょう。

6.体を清潔にしょう

腎盂腎炎や膀胱炎など、尿道からの細菌侵入を防ぐために、入浴、下着の取り替えをまめに行い、体をいつも清潔に保ちましょう。

7.定期的に検査を

腎臓病はほとんど自覚症状がない病気です。従って腎臓病を発見するために尿検査が行われます。腎臓病の顕著な所見であるたんぱく尿は、検査してはじめてわかるものです。